藤原清衡は平安時代末期、源平合戦の100年ほど前に東北に一大勢力を築きました。都から遠く離れてはいるものの、朝廷に金や馬を献上することで、その権力を拡大していったといわれています。現在、奥州市江刺には奥州藤原氏の本拠地である「豊田館」が厳密な時代考証の上に再現されています。その後平泉に居を移した際には、仏教の理想郷を具現化した「中尊寺」を造営し、その栄華を極めました。中尊寺には清衡を始祖とする奥州藤原氏4代のミイラが納められています。
清衡が戦乱で亡くなった人々を供養したといわれる「中尊寺」は、仏教美術、工芸、建築の粋を集めています。中でも1124年に造られた国宝「金色堂」は、創建当初の姿そのままに、堂全体が美しい金箔に覆われ、内部は螺鈿(らでん)、漆(うるし)の蒔絵(まきえ)などで装飾されています。中には阿弥陀如来をはじめとした12体の仏像が納められ、仏の世界「浄土」をきらびやかに表現しています。2011年、中尊寺は毛越寺、無量光院跡などを含む「平泉―仏国土(浄土)を表す建築・庭園及び考古学的遺跡群―」として世界遺産に登録されました。
「じゃじゃ麺」「わんこそば」とともに盛岡三大麺のひとつである「盛岡冷麺」は、コシの強い麺と牛骨や鶏ガラでとったスープが特徴のご当地麺です。朝鮮半島の冷麺を元に独自に進化した盛岡オリジナルの冷麺で、辛さを選べたり、具をアレンジしたり、お好みで楽しむことができます。あっさりした旨みたっぷりのスープでつるつる食べる冷麺は清涼感バツグン。つるつるとのど越しのよい細麺の「稲庭風うどん」で作りました。
対するうどん丸は、タイ風うどんで勝負。豚ひき肉をタイの代表的な調味料ナンプラーや赤唐辛子で調味し、冷水でしめたうどんと和えました。さらにレタス、香菜、ミニトマトを加えたタイの春雨サラダ、「ヤムウンセン」風のうどんです。ヤムは「混ぜる」、ウンセンは「春雨」という意味なので、「ヤムうどん」といったところでしょうか。ナンプラーはカタクチイワシの一種を発酵、熟成させた魚醤で、独特の旨みと風味が特徴です。最近はスーパーマーケットでも手軽に買えるようになりました。秋田の「しょっつる」や能登の「いしる」も魚醤のひとつです。