「ひなまつりのルーツ」
ひなまつりは、もともと春の水辺に出かけて禊ぎ(みそぎ)をする中国の「上巳(じょうし)」と呼ばれる風習から、人の形の紙に穢れ(けがれ)を移して水に流す日本古来の儀式と結びついたものといわれています。その後、平安時代の貴族の子女の遊びであった人形遊びと結びつき、江戸時代になって節句行事として定められたようです。
古来の知恵は薬膳なり
真っ白な雪に芽吹いた緑、いつか花開く様子をかたどった三色の菱餅は、女の子のあでやかな成長を思わせてくれますが、桃色は解毒作用のある赤いクチナシで魔除け、白色は血圧を下げるひしの実で子孫繁栄と純潔、緑色は香りの強いよもぎで厄除けと健やかな成長と三色それぞれに願いがこめられています。
そしてひなまつりには、旬のはまぐりのお吸い物もかかせないものですね。はまぐりには、二枚貝のようにぴったりと合う伴侶に出会えますようにと願う意味があるようです。
旬の食材 【菜の花】
桃の節句の頃、お花屋さんの店先では、ひな人形とともに桃の花と菜の花がアレンジされているのを見かけます。愛らしい桃の花に菜の花。どちらも色の相乗効果があるのはもちろんですが、江戸時代からこのように飾られていたようです。
種から菜種油を採っていたことから、幼くして亡くしてしまった子を偲ぶ「灯(とうみょう)明」を意味していたとか。また、食べてはちょっとほろ苦い菜の花。カロチンやビタミン、カルシウム、カリウム、鉄、食物繊維など豊富な栄養素を含んでいます。美肌や春先の風邪予防にも効果があるといわれ、高血圧予防、貧血気味の方にはおすすめしたい旬の野菜です。