「七夕の節句」
日本には「七夕」を含め、季節の節目を意味する「五節句」という五つの節句があります。七草粥を食べる習慣がある1月7日、3月3日の「桃の節句」、5月5日の「菖蒲の節句」、7月7日の「七夕」、そして9月9日の「菊の節句」で五節句になります。七夕は、旧暦の7月7日に女性が手芸や裁縫などの上達を祈る「乞功奠(きこうでん)」という中国から伝わった行事と、織姫と彦星の星伝説、そしてもともと日本の神事であった、選ばれた乙女が着物を織って棚に具え、神様を迎えて秋の豊作を祈ったり人々の穢れを祓った「棚機(たなばた)」と結びつき、今の七夕行事につながったといわれています。
現在は多くの地域で新暦7月7日を七夕としていますが、七夕まつりを旧暦に合わせて盛大に行うところもあるので、およそ1か月はあちこちで七夕まつりを楽しむことができます。
ほおずき市
この時期、各地のお寺で「ほおずき市」が催されます。ちょうちんのような形をしたほおずきは漢字では「鬼灯」と書き、お盆に帰ってくる先祖の霊の道を照らすといわれています。ほおずき市が催される日は「四万六千日」といって、四万六千日分のお詣りしたのと同じご利益があるとされています。色鮮やかなほおずきが並び、たくさんのご利益もいただけるほおずき市に行ってみませんか。
旬の食材 【オクラ、みょうが】
この時期に旬を迎える野菜「オクラ」は、切り口がお星様のようで、七夕の季節にぴったり。エジプトが原産で、幕末に日本に入り明治時代に栽培が始まったといわれています。新鮮なオクラは生のままでもおいしくいただけます。意外なのがその花の美しさ。早朝に咲き、夕方にはしぼんでしまう儚い花びらは食用にもなります。もうひとつ旬を迎え、夏の料理ととても相性のよい「みょうが」。日本をはじめ、台湾や韓国などで食べられているようですが、食用栽培をしているのは日本だけとか。乾燥を嫌うので、保存する際は霧を吹いたり、湿らせたキッチンペーパー等で包んでから冷蔵庫に入れましょう。