日本を代表する祭礼の一つ、浅草神社の例大祭「三社祭」。毎年5月第3金・土・日曜日の3日間に渡って執り行われ、約180万人の人出を誇る東京の初夏を代表する風物詩になっています。
三社祭の「三社」とは、浅草神社に祀られている三神に由来しています。推古天皇の時代の628年、隅田川から観音像を引き揚げた檜前浜成命(ひのくまのはまなりのみこと)・竹成命(たけなりのみこと)の兄弟と、観音像を祀り僧侶となった土師真中知命(はじのまつちのみこと)の三人を神様としたと伝えられています。
三社祭の初日の見どころは、国指定の民俗文化財に指定されている「神事びんざさら舞」の奉納です。「びんざさら」とは舞に使用する108枚の板を束ねた楽器のようなもの。これを鳴らしながら舞い、五穀豊穣、商売繁盛、子孫繁栄などを祈願します。
2日目には「町内神輿連合渡御」が行われます。渡御とは神様をのせた神輿が町を練り歩くことで、氏子の町神輿約100基が神社境内に集合し、1基ずつお祓いを受けてから町に出ていきます。
渡御の際、神輿を上下左右に振り動かしたり、わざと荒々しく揺さぶったりしますが、それにも意味があるのです。そうすることで神様の霊威を高め、豊作や豊漁、疫病の退散を祈願するのだとか。
最終日は、浅草神社の三祭神をのせた本社神輿3基が各町を渡御します。早朝、神社境内から担ぎ出されるのが「宮出し」。日中は浅草の街中を三方面に分かれて渡御し、日没後に神社境内へ戻る「宮入り」を迎えます。こうして祭りの3日間が終わるのです。
三社祭の始まりは鎌倉時代の1312年に行われた「船祭」だといわれています。隅田川から観音様が引き揚げられたとされる3月18日と前日の17日に行われました。江戸時代には神輿3基を浅草寺本堂から浅草御門(現在の浅草橋付近)へ担ぎ、乗船場から船に神輿をのせて隅田川をさかのぼり、駒形から上陸して本堂へと戻る「船渡御」が行われるようになります。この船渡御は江戸時代末期まで続きましたが、明治に入って廃止。明治5年(1872年)には新暦の採用と神仏分離の影響で5月17、18日の開催となり、神輿3基は各氏子の町を渡御するようになりました。現在のように5月第3金・土・日曜日に開催されるようになったのは昭和38年(1963年)からのことです。
平成24年(2012年)の3月18日には、三社祭700年を記念して、神輿が隅田川を船でさかのぼる船渡御が行われ、江戸の祭りの雰囲気を再現したそうです。
相撲部屋で力士が食べる「ちゃんこ鍋」。国技館のある両国をはじめ東京にはちゃんこ鍋専門店が多数あり、今や定番の鍋料理として一般的にも食べられるようになりました。もともと「ちゃんこ」とは相撲部屋で力士が食べる食事全般を指すもので、鍋だけでなくカレーライスでも「ちゃんこ」なのです。食事当番の力士は「ちゃんこ番」と呼ばれています。
ちゃんこの代表的料理であるちゃんこ鍋は、味付け、具材に特に決まりはなく、相撲部屋それぞれに独自のちゃんこ鍋があるようですが、「手をつく」=「負ける」から、2本足で立つ鶏の肉やだしを使うことが多いそう。また、鶏団子は白星を連想させることから縁起を担いでよく入れられているとか。
今回は、鶏がらスープのだしに鶏肉を入れたちゃんこ鍋に、つるつるしたのど越しが魅力の「稲庭風うどん」を入れました。お好みでおろしにんにくやバターを加えるとコクがプラスされます。さらに野菜もたくさん摂れるから、寒い季節にはうれしい一品になります。一人鍋でも家族でも楽しめる飽きのこない鍋うどんです。
「盛岡さんさ踊り」は、毎年8月1日から4日に開催される東北の夏を彩る祭りの一つです。昭和53年に第1回が開催されたこの祭り、今では約250団体・約3万5千人にも及ぶ艶やかな衣装をまとった踊り手で盛岡市中心部の大通りは埋め尽くされます。
盛岡さんさ踊りの元になった「さんさ踊り」は江戸時代から受け継がれてきた伝統的な踊りです。その起源は岩手県の名称の由来にもなる「三ツ石伝説」だといわれています。昔、盛岡城下に羅刹(らせつ)という鬼が出て、悪さをして暴れていました。困った城下の人々は三ツ石神社に祈願したところ、神様は鬼を捕えて二度と悪さをしないよう誓いの印に大きな岩に手形を押させました。鬼がいなくなったことを喜んだ人々はその岩の周りで「さんささんさ」と踊り始めました。これがさんさ踊りの始まりなのだとか。また、鬼が手形を押した岩が「岩手」の名の由来ともいわれています。
盛岡さんさ踊りの“さんさ”は「さあさみな踊れ」という言葉が由来。「来て、観て、魅せられて、加わる」祭りというのがコンセプトです。
期間中毎日午後6時、さんさ踊りのパレードが始まります。まず、ミスさんさ踊りやさんさ太鼓連が盛岡市役所前をスタートし華麗な演舞で魅せます。
次に職場や学校、団体などの太鼓・笛・唄・踊り手など一般参加者によるパレードが続きます。そして、盛岡市や周辺の町に伝わる伝統的なさんさ踊りを継承する団体が踊りで魅せます。
パレードのあとに始まるのが「加わる」さんさ踊り。誰でも自由に参加できる「輪踊り」が7か所で行われます。浴衣や衣装を着ていない人でもOK!踊りが分からなくても、黄色いタスキをかけた「さんさ・おへれんせ師匠」がやさしく教えてくれるので、地元の人だけでなく観光客も踊りを楽しむことができるのです。
最終日のみ行われるのが「さんさ太鼓」の大パレードです。平成26年に「和太鼓の同時演奏記録」の世界一を目指すイベントが行われ、3,437人もの太鼓のたたき手が息の合った太鼓のリズムと演技を繰り広げ、世界記録を達成しました。この和太鼓の同時演奏記録の再現として、太鼓だけの大パレードが行われるのです。1万を超える太鼓のたたき手が舞いながら鳴らす音が盛岡の街に響きます。太鼓のパレード終了後は参加者も一般観光客も一体となって踊る「大輪踊り」で会場の雰囲気は最高潮に盛り上がり、祭りはフィナーレを迎えます。
岩手県では、リアス式海岸で有名な三陸海岸沿いでカキの養殖がとても盛ん。シーズン中はカキの蒸し焼きを食べることができる「カキ小屋」が賑わいます。
三陸のカキは粒が大きいのが特徴です。三陸沖は親潮と黒潮がぶつかりあって、カキのえさになるプランクトンが大量に発生する良い漁場であるだけでなく、海に注ぐ北上山地の森から流れる雪解け水には、カキを育てる栄養分が豊富に含まれています。
三陸の豊かな海で大きく育ったカキは栄養が豊富。また、旨味成分もたっぷり含まれているので、あのふくよかな味わいを楽しむことができるのです。
今回は、ぷりぷりとしたカキと、カキの旨みが凝縮したオイスターソース、生クリームを合わせたコクのあるソースに「さぬきうどん」を合わせました。濃厚な味わいのソースがうどんにからんでとっても贅沢。ぜひ試していただきたい旬のおいしさです。