「朧月夜(おぼろづきよ)」

雨が多く、移動性の高気圧と低気圧が交互に通過するこの頃は、湿り気のある空気がもうろうとして霞がかり、寒い頃の満月とは違ってぼんやりと幻想的に見えます。この月を朧月といいます。夜はまだ肌寒いですが、空を見上げ朧月を眺める。なんでもないのに少しセンチメンタルな気持ちになります。源氏物語に登場し、光源氏と恋に落ちる朧月夜は艶やかで奔放な美女。名前の由来は和歌「照りもせず曇りもはてぬ春の夜の朧月夜にしく(似る)ものぞなき」からきています。

夏も近づく八十八夜

立春から数えて八十八日目が八十八夜になります。初夏もすぐそこまでやってきていますね。茶摘み、田植えが始まります。この八十八夜に摘まれた茶葉を飲むことで無病息災でいられるといわれています。本来、茶葉の持つ栄養分が冬の間は蓄えられ、春になりその栄養が若葉に行き渡るので新茶にはたっぷりの栄養分があるというわけです。ちなみに、茶葉は摘み取った順番に、新茶(一番茶)、二番茶、三番茶と呼びます。どれも、それぞれ美味しいのですが日本人は初物が大好きです。新茶特有の爽やかさとうまみ成分のアミノ酸が多いのが特徴です。

ごはんレシピ

旬の食材 【春キャベツ】

きれいな黄緑色で葉がやわらかく瑞々しい春キャベツ。キャベツの歴史は以外と古く、江戸時代にオランダから渡ってきたそうです。その頃は葉牡丹と呼ばれる観賞用でしたが、明治に入り食用が栽培されるようになりました。キャベツは古くはギリシャ、ローマ時代から胃腸への効能が注目されていたようです。実際キャベツはビタミンCが豊富で、ビタミンK、カロチン、カルシウム等も多く含まれ、二日酔いや美肌に効果があるといわれています。春はお花見や歓迎会など暴飲暴食になりがちです。デトックス効果があるといわれる春野菜の中でも胃腸の回復に効果が期待できるキャベツ料理を楽しみたいですね。

春キャベツとごはんのミルフィーユ風

キャベツ、パプリカ、スモークサーモン、ごはんを彩りよく重ね、まるでケーキのように色鮮やかな押し寿司です。

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