「冬至の食材たち」
こ昔から冬至には「運が付く」ということから、みかん、れんこん、かぼちゃなどを食べて無病息災を願ってきました。かぼちゃには「ん」が付かないように思いますが、かぼちゃを南瓜(なんきん)と呼ぶこともあることから、冬至を代表する食材となっています。かぼちゃと小豆をいっしょに煮た「いとこ煮」は小豆の赤い色が生命力をアップするといわれています。また、太陽のように丸く鮮やかな色のゆずをお風呂に入れ、体を温めます。端午の節句の菖蒲湯同様、強い香りのものをお湯に入れることで邪気を払うといわれています。
年の瀬の支度
鏡餅、門松、正月飾り・・・。何かと忙しい年の瀬ですが、新年を迎える支度は、清々しい一年を迎えられるよう丁寧にしたいものです。大晦日には全ての支度をすませ、静かに除夜の鐘を聞きます。冷たく澄んだ空気の中、聞こえてくる除夜の鐘は百八回。人間の持つ百八つの煩悩を清めるためといわれています。また、一年十二ヶ月の「12」、二十四節気の「24」、季節をさらに細かく区切った七十二候の「72」を足したのが「108」になることから、一年の厄を落とすためともいわれます。一般的に百七声までは年内に、百八声は新年につくとされています。お寺によっては鐘をつくことができるところもあるので、今年は挑戦してみてはいかがでしょう。
旬の食材 【かぼちゃ】
かぼちゃが収穫されるのは夏から初秋にかけて。収穫時にはでんぷんが多いのですが、3ヶ月前後寝かせると時間とともに熟成し糖度が増します。ヘタの部分が乾いてヒビが入っているくらいのものがおいしいかぼちゃです。また、ヘタの部分の軸が太く、形は左右対称に丸く、ずっしりと重みがあって、皮が硬いものを選びましょう。カットされているものは、果肉が肉厚で濃いオレンジ色をしているもの、種が膨らんでいるものを選びましょう。かぼちゃのオレンジ色の素はβカロテン。βカロテンは抗酸化力が高いだけでなく、粘膜を守る働きもあります。風邪が流行る季節にかぼちゃを食べるのはとても理にかなっていることなのです。