「鏡開き」

お正月も三が日を過ぎると、晴れやかさも落ち着き日常生活に戻っていきます。門松や正月飾りも七日まで。正月の七日までを「松の内」と呼ぶのはここからきています。かつては松の内は正月十五日の小正月までを指していましたが、現代では七日までを指すのが一般的なようです。そして十一日は鏡餅を下げていただく日。神聖なものなので、刃物で切ることは避け、木槌などでたたいて割ります。鏡餅は硬いので、水に浸けてからお汁粉に入れたり、揚げ餅にするとおいしくいただけます。

年神様といただくおせち料理

平安時代、朝廷では季節の変わり目のお祝いの日「節日(せちにち)」に「節会(せちえ)」という行事が行われていました。そこで出されるごちそうを「御節供(おせちく)」と呼んだのです。後に「おせち」と略されるようになり、一月一日の元旦は別格扱いとされ、節日の一番目にあたる正月料理を「おせち」と言うようになったといわれています。正月のおせちは、新しい年の神様である「年神様」への供物であり、それを一緒に味わうことで、一年の幸せを願います。めでたさを重ねるということで縁起を担ぎ、重箱に入れました。食材や料理も、子孫繁栄を表す数の子、勤勉さを表す黒豆、豊作を表す田作り、長寿を表す海老、喜ぶ(養老昆布)で昆布、金運を表す栗きんとんなど、おめでたい、縁起を担いだものになっています。その年の幸せを味わい、良い一年にしたいものですね。

ごはんレシピ

旬の食材 【鱈(たら)】

魚偏に雪と書くように、寒い季節の魚の代表ともいえる「鱈」。この時期脂がしっかりのっています。口が大きく、お腹が膨らんでいるのが特徴で、かなりの大食漢だそう。「たらふく食べる」という言葉はこの鱈からきたといいます。鮮度が落ちるのが早いため、なるべく新鮮なものを選びましょう。体が大きく、張りのあるもの、背中の模様がはっきりしているもの。切り身であれば、うっすらと透明感があるものが新鮮です。

鱈と豆腐の鍋雑炊

年末年始の疲れた胃にやさしい鍋雑炊。
やわらかな鱈のほぐし身に、せりの香りがアクセントになります。

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