発売から40年、愛され続けて来た『冷凍うどん』にちなんで太く長く愛され続ける各界の著名人の皆さんに<愛される秘訣>を教えていただきます!

吉田類

吉田類

第6回目のゲストは、『吉田類の酒場放浪記』(BS-TBS月曜21時~)でおなじみの吉田類さん。番組はスタートから10年を超え、「類さんみたいになりたい」と憧れる人が日々増加中! 熱心なファンは酒好きばかりかと思いきや、最近は意外な支持者も多いとのこと。いったいどんな方々なのでしょうか…? 讃岐うどんには幼い頃から親しんでいるという高知県出身の類さん。今回は、うどんのように太く長く世代を超えて愛され続けるヒミツについてお話を伺いました。

ヨーロッパで美術活動をされた経歴や、俳人の肩書きを持つ類さんですが、「番組を観ながら飲むと癒される」「なぜこんなにハマってしまうのか謎」と知的な佇まいと独特なユルさの不思議なバランスに皆さん魅了されているようです。

 だいたい、難しいウンチクなんか飲みながら言えるはずないよね。番組は、僕自身が楽しんでいるから観ている人も楽しいんだと思う。僕は普通に飲んでいるだけだし、ストレスが溜まるような雰囲気を感じたら、うまい具合にす~っと逃げちゃう(笑)。秘訣は「やりたいようにやる」コレに尽きますよ。
 そもそも店に入ったら居心地が悪かった、ということはありません。なぜなら店の入り口に立てば、そこが雰囲気のいい店かそうでないかがわかるから。雰囲気が悪ければ長く続くはずないでしょう? だから店構えに古さや老舗感が出ているところは大丈夫。また明るい歓声が外の通りにまで聞こえてくる店も間違いないね。

 今はすっかり日本の自然に取りつかれて国内の山ばかり登っていますが、昔はヨーロッパ志向が強かったです。子供の頃に絵を習っていた影響と、飼っていたヤギが乳母みたいなものだったから、ヨーロッパの人たちのようにヤギの乳で育った影響もあるかな(笑)。絵の先生は常に「いっさい人の真似はせず、唯一無二な存在であれ」と言っていました。みんなに興味を持ってもらえる何かが僕にあるとするなら、その先生の教えが原点にあるからかもしれません。
 ちなみにヨーロッパは個人主義なので、パブに行っても仲間同士で楽しく飲んで、無理に他人と交流する必要はないんです。でも日本の大衆居酒屋はコの字型にカウンターがセッティングされているから、初対面同士でも顔を突き合わせざるを得ない。その状況で友達にならなかったら、飲んでいてもちっとも楽しくないでしょう? だから最初に乾杯して、5分でそこにいるみんなと仲良くなっちゃう。皆さんにもおすすめのワザです。

旅先や初めて訪れる居酒屋で、お店の方はもちろん常連さんなど老若男女を問わず自然と打ち解けてしまう類さん。最近は新しい層にも人気があるとのことですが?

 人の持つ内面的なものは外にも表れます。先ほどもお話しましたが、本人が楽しければ周囲にも楽しんでもらえます。とくに感受性の強い小さな子供は、とりつくろった偽物の笑顔なんかは簡単に見破りますよ。じつは最近、子供のファンが増えているんだよね。今日も新幹線のホームで家族連れとすれ違って、親より先に子供が気付いてくれました。ファンレターもよくもらうんですが、ある小学5年生の女の子からの手紙は財布に入れてお守りにしています。その手紙には手作りのビアジョッキ型マスコットが入っていたので、何度か胸につけて番組に出たら喜んでくれました。

 それからね、いま幼稚園で「類ごっこ」っていう遊びが密かに流行中らしいです。手を後ろに組んでみんなで歩いたあとに、ジュースで「かんぱ~い」って言って友達になる遊び。みんな親と一緒に番組を観てくれているんだろうね。本人たちはもちろん楽しそうなんだけど、見ている先生達が大喜びだそうです。お酒は友達や仲間を作るためにあると思うから、僕も本望です。
 ついこの間お邪魔した居酒屋では、たまたま5歳の女の子の誕生日を祝っていました。その子はもともと僕のファンだったみたいで、酒場デビューを吉田類と祝えたことに大喜びしてくれました。記念に僕の絵を描いてくれたんですよ。
 子供だけじゃなく犬も猫も昆虫も、なぜか寄ってくる。まあ虫の場合は、単に酒の匂いに誘われて来るだけかもしれないけどね(笑)。